相続の基本知識 全財産を○○へ相続させる(譲る)は問題ない? 注意すべきポイントを解説! 遺留分とは?
こんにちは!行政書士・相続診断士の大熊です。
今回は、ドラマや小説でもチラホラ目にする「全財産を長男へ相続させる」という内容について注意点を解説していきたいと思います。
どこが問題?
全財産を長男へ譲るという内容で一番気を付けなければならないことがあります。
それは、ほかの相続人の有無です。
例えば、長男のほかに次男が居れば当然次男からすれば、財産を一円ももらえないのは面白くないですよね。
もっとハードな内容なら…
他にもっと面白くない事例を考えてみましょう。
自分の父親が知らない間に遺言書を残していたことが判明したとしましょう。
家族構成は、母と長男のみで考えます。
内容を確かめると、愛人へ全財産を譲るとあります。
いかがでしょうか?
想像しただけでもおぞましいです。もちろんどう遺言書を書くかは自由です。遺言書としての体裁を整えていたら有効になります。
親亡くなったあとに、会ったこともないような自称愛人が現れて財産を全て持っていかれる…
泣き寝入りするしかないのか…
でも大丈夫です。法律は血も涙もないとい言われますが、しっかりとセーフティーネットが用意されています。
絶対に侵すことのできない取り分「遺留分」とは?
民法では遺留分というものが規定されており、この遺留分というものは、「遺産につて、一定の相続人に対して相続が確保された割合のこと」を言います。
つまり全財産を○○相続させるとあっても、ほかの相続人には一定の割合で権利が保障されています。
ただ問題点があります。
この遺留分をもらうには、「遺留分減殺請求」という手続きしなければならないということです。しかもこの請求には時効が設定されいるのです。
そもそも相続人でも遺留分が認められない相続人がいることも注意です。
最後に
民法の世界では、故人も想いを大事にしながらでも、遺された相続人にもセーフティーネットの遺留分を紹介しました。
想いを形にする遺言書ですが、自分の意思で自分の想いを遺して下さい!
決していっときの感情で書かないようにしてくださいね!
蛇足ですが、私も一度だけ全財産を愛人に残す旨の遺言書は法的問題ないか?聞かれたことがあります。ドラマの世界だけの話ではないこと実感しました。
たくさん用語が出てきましたが、自分で調べてみたい方にはこちらの辞典をオススメします。コンパクトながらよくまとまっており、私も使用することがあります。
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